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訂正審判「減縮 vs 実質拡張・変更」

 特許業務法人 IPX 代表弁理士CEOの押谷 昌宗(オシタニ マサムネ)です。

 当所IPXは、ICT・ソフトウェア分野と、外国出願に強い特許事務所です。また、出願未経験のベンチャー企業の皆様にも親しみやすいように、最新のITツール(slack, messenger, zoom, 各種クラウド等)を駆使した顧問契約等も提供しております。設立当所からの事務所ポリシーは、このブログのタイトルにも使われている「爆速」! 3つのメソッドをベースとして、「品質」と「スピード」を徹底的に両立いたします。

訂正審判については特許法第126条に規定されています。
訂正審判の目的は、以下の3つに限定されています。

第126条第1項
一  特許請求の範囲の減縮
二  誤記又は誤訳の訂正
三  明瞭でない記載の釈明

ここで、誤記の訂正を目的としていても、訂正審判は必ずしも認められるとは限りません。
特に、第6項の、
「第一項の明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。
との関係が問題となってきます。

第1条の「誤記の訂正」と第6条の「実質拡張・変更の禁止」の規定は互いに独立しており、誤記の訂正を目的としていても結果的に第6条の要件を満たさなければ訂正は認められなくなります。
これらは互いに独立しているので、訂正審判が認められるためにはこれらを同時に満たす必要があります。

例えば、
「請求項1;表1の構成を有する物質」
となっており、表1の中に「明らかな誤記」があったとします。かかる誤記を訂正するために、訂正審判請求書にて「表1中の記載は当業者であれば明らかな誤記と理解できるので、本訂正は第1条の誤記の訂正を目的とするものである。」
と記載した場合、目的が「誤記の訂正」であったとしても、結果的に請求項1の範囲を実質上拡張・変更してしまうものとなるため、却下されてしまいます。

このような場合、訂正審判請求書には、以下の2点を記載する必要があります。
 1.「誤記の訂正」を目的とするものである。
 2. 実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

これら2つの観点を同時に満たすためには、例えば以下のような流れで訂正審判請求書を作成することが有効です。
 1. 本訂正は誤記の訂正を目的とするものである。
 2. 当業者であれば、請求項1の内容を把握すべく、まず表1を参照する。次に表1について記載されている段落【◯◯◯◯】を参照する。次に・・・を参照し、表1に誤記があることを理解した上で請求項1の内容を把握する。
 3. 上記のような流れで当業者は明細書を読み進め、請求項1の範囲を判断する以上、表1についての明らかな誤記を理解した上で請求項1の範囲について把握するものと考えられる。
 4. そうである以上、本訂正は当業者・第3者にとって不測の事態となりえず本訂正は特許請求の範囲を実質上拡張・変更するものではない。

訂正審判については最高裁でいろいろと言われていますが、結局は第3者にとって不測の事態とはならないということを主張することが最も効果的ではないかと思います。


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プロフィール

MASAMUNE OSHITANI

Author:MASAMUNE OSHITANI
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 特許業務法人 IPXの代表弁理士CEOの押谷 昌宗(オシタニ マサムネ)です。

【略歴】
 生粋の知財キャリア出身です。大学院修士課程在学中に弁理士試験に合格。大手外資系メーカー知財部に新卒で入社。企業での経験を積んだ後、外国に強みのあるブティック事務所へ転職(アソシエイト弁理士)し、事務所弁理士としての修行に専念。
 2018年4月に共同代表の奥村(元研究職出身の弁理士)とともに特許業務法人 IPXを設立し、代表弁理士CEOに就任。

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